2008年05月30日

富江最終章

『富江 最終章〜禁断の果実〜』監督:中原俊、出演:安藤希、宮崎あおい、國村隼、2002年、日本、ビデオ
いじめられっ子の少女・登美恵の前に、不思議な美少女・富江が現れる。孤独な少女は、奔放だけど優しくしてくれる富江が大好きになる。しかし、登美恵の父・和彦は家に遊びに来た富江を見て驚いた。25年前、自分が魅せられた少女とうり二つだったからだ。やがて、富江は和彦に近づき、わたしはあの富江だと笑ってみせた。

自分の意のままに人を操ろうとし、その性悪さ加減に恐れをなして結局誰もが富江を殺してしまう。でも、どんなに殺されても生き返って、彼らにつきまとう。けったいな映画だけど、美少女二人のキスシーンなんかもあって、全編に充ち満ちた禍々しい、倒錯趣味的な美しさが面白い。宮崎あおいちゃんは、今やNHKの大河ドラマで主役だわさ。でも安藤希はどこへ?



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2008年05月29日

按摩と女

『按摩と女』監督・脚本:清水宏、出演:高峰三枝子、徳大寺伸、佐分利信、1938年、日本、CS放送録画
『山のあなた』の公開にあわせて、CS放送で清水宏監督作品の特集をやっていた。おかげで原作であるこの作品も観ることができた。ありがたいことだ。
『山のあなた』が本当にホンもカット割りも、セットやらも、みんな同じにしているのがわかる。ただし、街並みは作り込んである分、もっとこぎれいになっている。白黒作品なので、山の緑の美しさがでないのは、清水監督も残念に思ったのではないだろうか。また石井版はとっても音に注力していて、当時の音響技術ではなしえなかった、徳市が聞いているであろう音の世界を表現している。

思った通り、目暗という言葉をつかっているが、監督の凄く自然でフラットな目線を感じるので、なんの違和感もない。

あと、こちらを観てみて一層感じたのは、草K剛も加瀬亮も、ちょっと力が入りすぎているような、オーバーアクション気味だということ。こういうのが一般的によしとされるなら、日本人の刺激に対する感覚の閾値は、ずっとあがっちゃっているな。

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2008年05月28日

アフタースクール、山のあなた、ハンティング・パーティ

『アフタースクール』監督・脚本:内田けんじ、出演:大泉洋、佐々木蔵之介、堺雅人、2007年、日本、チネチッタ川崎

中学校教師の神野の元に、同級生と名乗る男がやってくる。彼は同じく同級生だった木村の行方を捜しているという。木村だったら、前日の朝、神野の車を借りて出かけていったのだが・・・

って、もう何かいてもネタバレになりそうなんで、何も書けない(^-^;)
でも、今年観た邦画の中で一番面白くって、お見事な作品だった。前作の『運命じゃない人』も、座布団3枚!!って感じだったけど、これはさらに上を行きます。
映画って、中途半端な情報を組み合わせて、語られない部分を勝手に想像しつつ観るものだけれど、それをうま〜く利用して、どんどん裏切ってくれる。最後まで観ると「あぁ〜、やられた。もう一回みたい!」となります。30代後半で、主役も脇役もいける、2.5枚目な3人の男たちの配役も絶妙。ちなみに堺雅人は「篤姫」で将軍・家定を演じてます。将軍が「えぇ〜〜〜〜〜〜!?」はないだろうと思いつつも、バカウケしました。

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2008年05月21日

マンデラの名もなき看守、光州5・18

『マンデラの名もなき看守』監督:ピレ・アウグスト、出演:ジョセフ・ファインズ、デニス・ヘイスバート、ダイアン・クルーガー、仏・独・ベルギー・伊・南ア合作、109シネマズ川崎

ネルソン・マンデラが投獄されていた20数年の間、黒人の言葉がわかるために抜擢されて彼担当の看守になった男が主人公。ばりばりの黒人差別主義者だった彼と彼の家族が、マンデラとの交流の中で、少しずつ考え方が変わっていく。そして、塀の外の情勢もまた着実に変化していく。
街中で警官に暴力をふるわれる黒人女性を見て、主人公の小さな娘が怯えながら父親にどうして?と問うシーンが、端的にアパルトヘイトの間違いを表していた。そして、マンデラが投獄後初めてガラスの隔てなしに家族と面会が許されたとき、看守に語る「わたしはこの20年妻に触れていない」という言葉が重かった。

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2008年05月20日

落語娘、告発のとき

『落語娘』監督:中原俊、出演:ミムラ、津川雅彦、2007年、日本、試写

落語家になるのが子どもの頃からの夢である女性が主人公。大学の落研で活躍したまでは良かったが、伝統芸能のプロの敷居は高い。あこがれの師匠に弟子入りを願ったが、女を理由に断られてしまう。その場にいて拾ってくれた師匠は、これまた奇行・蛮行・破天荒と三拍子そろったツワモノ。稽古はつけてくれないし、弟子の彼女にソープ代をせびる始末。その師匠が、業界に干された現状を一発逆転するために禁断の落語「緋扇長屋」に挑戦すると言い出したからさあ大変。

男社会の伝統芸能の世界で、日々奮闘する女性の物語と、禁断の落語にまつわるミステリーがミックスし、映画全体が見事に一つの落語世界になっているという巧みな構成。また、落語の舞台裏をのぞき見るような面白さや、若い女性ががんばるさわやかさもあって、これは久々にとても楽しかった。一度、新宿末廣亭に行ってみようかな。

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2008年05月18日

ラフマニノフ ある愛の調べ、水谷豊がラゾーナにキター!

『ラフマニノフ ある愛の調べ』監督:バーヴェル・ルンギン、出演:エフゲニー・ツィガノフ、2007年、ロシア、109シネマズ川崎
ラフマニノフの幼少の頃から、アメリカへ亡命し作曲が出来ない苦悩を抱えつつ、演奏活動を続けていたころまでの生涯を描いている。
期待したより、演奏シーンは少ないし、作りも雑。アメリカが舞台なのに、みんなロシア語しゃべってるし。
何より気になったのは、HPでも見られる予告編と本編とでは、あまりにも字幕の訳が違いすぎる。予告編では、全然そんなこと言ってないだろうと思われる字幕がつけられていて、勝手に物語り作っちゃってないか?と思う。

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2008年05月16日

シャークウォーター、松ヶ根乱射事件

『シャークウォーター 神秘なる海の世界』監督・脚本・制作:ロブ・スチュワート、2006年、カナダ、試写
サメが住む世界各地の海を素晴らしく美しい映像でとらえたドキュメンタリー。監督のロブ・スチュワートは子どもの頃にサメを間近で見てその美しさに魅せられて以来、スキューバダイビングのインストラクター資格を取り、海洋生物学を学び、映像の撮影技術を学んで、水中映像作家になった。メディアによって恐怖の対象として不当に祭り上げられたサメの真の姿を伝えたいと願ったからだ。初めはその美しさや、本当の生態を伝えるつもりで映画を撮り始めたが、途中でフカヒレを取るための密漁によって、無惨に大量に殺されていくサメの姿を知ってからは、方向性が変わっていき、まるでサスペンス映画の様相を呈してくる。

今やサメは無計画な大量殺戮によって90%も減少していると言われる。海の生態系の頂点にいるサメがいなくなると、どういう事が起きるか? 捕食者がいなくなると、その下の層にいる生物が一気に増える。それは最下層の植物プランクトンの減少を引き起こし、ひいては地球の二酸化炭素の消費と酸素生産に影響を及ぼすのではないかと心配されている。ところが、クジラは人間に人気があるので保護活動が盛んだが、サメとなると恐怖の対象であるためにほとんど注目されてこなかった。その上、フカヒレは巨万の富を産むためにマフィアが絡んで禁漁区であっても密漁が絶えない。その漁の仕方は、見るに堪えない残酷なもの。捕らえたサメを生きたままヒレだけ切り取って、海に投げ捨てるのだ。泳ぐことの出来ないサメはそのまま水に沈み死んでいく。うちが知っている中では、アザラシの毛皮を取るために、無抵抗な子どもを棍棒で殴り殺すアザラシ猟や、かつて鯨油を取るためだけに大量殺戮したクジラ漁、オーストラリアのディンゴを害獣として足もって叩きつけて殺すさまに匹敵する残酷さだ。

映画の中で、監督が密漁の現場を追うために同行する環境保護活動団体は、日本でもその名を知られたシーシェパード。ニュースではその過激な行動ばかりが報道されて、多くの人がとんでもない団体だと思っているだろう。ところが、この映画を観るとちょっと違った側面が見えてくる。ここではコスタリカの大統領から依頼を受けて、サメの密漁船を取り締まっている。ところが密漁船は再三の警告を無視して漁を続けている。最終的に彼らは密漁船を体当たりの勢いで拿捕することになる。その後、思いもかけない事態に陥るのだが、それは映画を観てのお楽しみとして・・・。 クジラに関しても、彼らの論理からいえば、いくら機能不全に陥っているIWCであっても、そこからの脱退を示唆したり、調査と言いつつ商業的側面を指摘される現在の捕鯨を続ける日本のやり方は、違法であって、コスタリカのサメの密漁船と同等なんだろう。そのやり方は過激に過ぎるけど。

すでに海の状態はクジラやサメに限ったことでなく、世界規模ですべての漁に関して計画的な管理をしなければならない、危険な状態になっているようだ。それなのに、今はただ各国が海産物を互いに奪い合っている。水の中で見えないだけに、実態がつかみにくくて余計に恐ろしい。底引き網や延縄など、一帯生物を根こそぎ獲るような、無駄の多い方法はやめないと、近い将来、本当に魚を食べられなくなるかもしれない。魚好きの民族にはそれは耐え難いのでは?

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2008年05月10日

劇団花吹雪 浅草公演

一年ぶりの劇団花吹雪。初めて浅草の木馬館へ行ってきました。
あいにくの雨でしたが、土曜日の昼で、小屋は超満員。花吹雪見守り隊のSさんたちが、事前にチケットと座席の予約を入れておいて下さったおかげで、見やすい席で見られた。ここは座席が埋まると、補助椅子まで出すのね。

普段は踊り、お芝居、ショーの3部構成らしいのですが、今日はお芝居が長いので2部構成。写真は踊りの時しか撮れないので、一部から連写モードでパチパチ撮りました。座員の中では小桜愛くんが、うちの好みの顔。去年見に行ったときは、HPには座員紹介の中にあったのに、活動休止していていなくて、な〜んだと思ったおぼえがある。今回初めて見たけれど、身体の大きい人で、女形よりは力強い立役が似合いそう。スピーディーに踊りながらもめざとくカメラを見つけて、ばっちり目線をくれはりました。
小桜京くんは、去年よりもずっと大きくなっていた。少し肉がついた分、色気も倍増。この人は断然女形。

お芝居は「 夏祭浪花鑑 」。中村勘三郎がNYやベルリンなどの海外公演でやっている演目。面白いお話なので、これをやること自体はええのんですが、まだ舞台がこなれていない感じ。舞台が狭いのにあまりにも美術が凝りすぎていて、役者が演じるのに動きにくそう。場面替えにも時間がかかりすぎている。もっとシンプルにしてええんとちゃうかなぁ。

公演の後、座員によるお見送りがありますが、去年はお芝居の後で若座長ザンバラ髪。今年もお芝居の後で、カツラはザンバラではないものに変えてきたけれど、顔に血糊がついたまま。小屋の階段を下りているとき、ふと後ろを振り返ったら血糊つけた若座長がいて、思わず「コワッ」。

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2008年05月07日

少林少女、フィクサー

『少林少女』監督:本広克行、出演:柴咲コウ、仲村トオル、張雨綺(キティ・チャン)、2008年、日本、109シネマズ川崎

中国で少林拳の修行を終えたリンは、少林拳を日本で広めるという夢を抱いて、日本の自宅の道場へ戻ってきた。しかし、そこは見る影もなく荒れ果てて、誰もいない。ようやく見つけた以前の師は、少林拳をすて、中華食堂を営んでいた。道場が閉鎖された理由を聞いても、師は取り合ってくれず、リンは途方に暮れる。そんなとき、食堂で働く留学生のミンミンは、リンを大学のラクロス部へ誘う。

柴咲コウは一年間訓練したというだけあって、身体の動きが堂に入っていて綺麗。しかし台詞がアフレコらしく、その音声が本人の声だと思うんだけど、妙に浮いた感じがして気持ち悪い。なんでや? 張雨綺や林子聡(ラム・ジーチョン)、田啓文(ティン・カイマン)の香港組は、ほんのちょい役かとおもいきや、結構話の中心に絡んできていたので驚いた。宣伝を見た限りでは、コメディ色が強いのかと思っていたが、お笑い部分は岡村と香港二人組だけが担っていて比重はいたって軽く、実際は大まじめで、結構ウェットな作品。なんで、見ててもあんまし興奮しないし、楽しい気分にもならない。

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2008年05月06日

GWは、谷根千と三浦半島へ

今年のGWは旦那は8連休。いつもなら実家へ帰ったりするのだが、今年は京都へ行ったばかりということもあって、家でのんびりしていた。でも、そうなるとうちはいつもより忙しかったりする。
GW中、すっきり晴れたのは、初めの4月30日と、最終日の5月6日だけだった。
30日は根津あたりを散歩しに行った。丁度、根津神社ではつづじ祭りが行われていて、世間的には平日なのにもかかわらず、たくさんの人でにぎわっていた。

根津のつつじ 根津のつつじ 根津のたいやき 愛玉子(オウギョウチー) 『転々』ででてきたお店 ヒマラヤ杉 長谷川一夫の墓

それからは、なぜか関東地方だけずーっと曇りや雨。GW前の天気予報は、結構いいような事を言っていたのに、全然あたりゃしない。世間の期待に応えようと、希望的観測&予報をしていないか?

6日はようやく晴れたので突然思いついて、三浦半島をドライブに行った。こうもガソリンの値段が高騰すると、ドライブもちょっと贅沢な遊びに思えてくる。
風は強かったものの、よく晴れて海が綺麗だった。意外に道も混んでおらず、思ったよりずっと近かったので、また行こう。

城ヶ島 安房崎灯台 城ヶ島 ウミウの展望台から ペリー上陸記念碑 観音埼灯台

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2008年05月05日

功夫灌籃

『功夫灌籃』監督:朱延平(チュー・インピン)、出演:周杰倫(ジェイ・チョウ)、曾志偉(エリック・ツァン)、陳柏霖(チェン・ポーリン)、蔡卓妍(シャーリーン・チョイ)、2007年、台湾、DVD
捨て子の方世杰は功夫道場で大きくなった。成長した彼は功夫に加え、ものを投げて命中させる並外れた能力を持っていた。それに目をつけたちんぴらの陳立は、彼をバスケットボール選手に仕立て上げ、自分はマネージャーとして一儲けしようと企む。

『カンフーダンク』として8月に日本でも公開される。戦いアリ、恋アリ、友情アリ、親探しアリ、朱延平らしいおバカさも健在の、てんこ盛りエンタテインメント。ボールも人間も飛びまくる。もう、なんでもありぃで、途中バスケの試合はどこへ行った?となることも。ま、どうせやるなら、このくらいとことん楽しくやってくれないとね。ジェイはちょっととぼけた、アホっぽいキャラがやたらよく似合っている。曾志偉が全体をしっかりと支えている。

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2008年05月03日

相棒

『相棒 -劇場版- 絶体絶命!42.195km 東京ビッグシティマラソン』監督: 和泉聖治、出演:水谷豊、寺脇康文、2008年、日本、109シネマズ川崎
元人気キャスターが殺されてテレビ塔につるされるという事件が起きる。その現場にはf6という不可解な文字が残されていた。右京はその文字をみて、これは連続殺人事件ではないかと推理する。その推理通り、次々に事件は起きるが、それは右京も予測しえなかった大事件への序章だった。

テレビ朝日50周年記念作品で、東映が全力で作っているだけあって、宣伝活動の派手さと念入りさは凄まじいものがあった。川崎にも初日に、109シネマズにもチネチッタにも主演の二人が舞台挨拶に来ていた。川崎TOHOにも今日来ていたらしい。その甲斐あってか、かなりの大ヒット。レイトショーに行ったが、満席に近かった。
テレビドラマの方は、タイムリーな社会問題を絡めた物語が結構面白かったので、たまに見ていた。映画版も、政情不安定な土地でボランティア活動をしていた青年がゲリラに捕まって殺されるという痛ましい事件と、政府の意向をそのまま反映した国内の行き過ぎたバッシング報道を背景にしている。結構挑戦的な内容で、面白かった。
うちは、テレビシリーズにもときどき出ていた、木村佳乃が演じる国会議員のキャラクターが好き。どんな事件も自分のキャリアの踏み台にしていくしたたかな、コワイ女なんやけど、次は何してくれるかとちょっと期待してしまう。

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2008年05月01日

ゼア・ウィル・ビー・ブラッド

『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』脚本・監督:ポール・トーマス・アンダーソン、出演:ダニエル・デイ=ルイス、2007年、アメリカ、チネチッタ

初めはしがない金鉱掘りだった男が、石油を掘り当てて石油商となり、巨万の富を求めて魂を失っていく様を、有無を言わせぬダニエル・デイ=ルイスの圧倒的な存在感で描ききっている。彼と対極の位置にありながら、実は似たもの同士である神父役のポール・ダノも鮮烈な印象を残す。彼はどっかで観たと思ったら『リトル・ミス・サンシャイン』の無言の行をしていた兄ちゃんだった。互いに自分の力を誇示して、同じ方法で相手を辱めあう様子は、恐ろしいのと同時に滑稽で笑ってしまう。
大人になった息子との場面は、確かにあった愛情すらも自ら否定して、一番大切だったものを失ってしまう彼が哀れでちょと涙が出てきた。アメリカン・ドリームと言われたものの裏側は、あふれ出た石油と同じぐらいドロドロとどす黒い。

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