2009年06月30日

松竹大歌舞伎(東コース)

松竹大歌舞伎(東コース)松竹大歌舞伎(東コース)というのは、歌舞伎の夏の地方巡業。他に中央コースと西コースがある。今回、東コースは片岡仁左衛門を初めとする松嶋屋一門が出演していて、「正札附根元草摺」「義経千本桜 下市村茶店の場、釣瓶鮓屋の場」が演目となっている。仁左衛門さんは巡業への参加は10年ぶりだそう。“いがみの権太”は定評があるというし、『築城せよ!』を観て以来、気になっている愛之助さんもいい役で出演しているので観てみたくなって、初日の江戸川区総合文化センター(小岩)へ。

歌舞伎座以外で歌舞伎を観るのは初めて。あらためて歌舞伎座というのは独特な空間で、歌舞伎を観るには最適な場所なんやと実感する。何と言うたらええのか・・・ 幕が開いた瞬間に感じる「うわぁ〜〜〜」が違うのよ。具体的に何が違うのか、もひとつようわからないんやけど。建て変わっても、あの感じは残るんやろか・・・

今回初めてイヤホンガイドを借りてみた。確かにただ観ていたんではわからないことがわかって面白い。けれど、片耳ふさがれると舞台の音が聞きにくいし、うちみたいなシングルプロセス人間には解説聞きながら舞台に集中するのは難しくって、痛し痒し。幕間に色々背景説明をしてくれるのは暇つぶしにもなってありがたい。

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2009年06月25日

風のかたち、大きな家

『風のかたち −小児がんと仲間たちの10年−』監督:伊勢真一、出演:小児癌を患った子どもたち、2009年、日本、試写

1999年から10年来、伊勢監督は、小児癌の子どもたちと医師の病気との闘いと、彼らが毎年行ってきたサマーキャンプの様子を撮り続けてきた。小児癌はもう不治の病ではない。8割は完治できるという。それでもその治療は難しく、患者にとってつらくて苦しいものであることは変わらない。社会的偏見もあるし、本人も子どもの時期に大きな病気をしたことで他の人たちと同じように元気に暮らしていけるのかという不安を抱えている。何より幼くして死と直面するつらい体験は経験したものでなければわからない部分が沢山ある。
サマーキャンプは、聖路加国際病院小児科の細谷先生たちが中心となって始められた。今現在病気と闘う子どもたちや、かつて闘って克服してきた子どもたち、そして医師や看護師たちが全国から集まって海や山でキャンプをする。そこでは悩みや不安を、何の前置きもなく話すことができる。みんな心底楽しそうな顔をしている。友となって別れのときにかわされる「来年もまた会いましょう」という言葉の重さは、普段使われるよりもずっとずっと重い。

人の痛みを深く思いやり、人を助ける仕事がしたいと語る子どもたちがいる。病気を克服し、大きくなって、「看護師になりたい」「お母さんになりたい」という夢を実現した子どもたちがいる。10年という長い歳月を地道に撮り続けたことによってカメラがとらえられた「希望」。ささやかに、光り輝く。

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2009年06月24日

マン・オン・ワイヤー、ラッシュ・ライフ、精神

『マン・オン・ワイヤー』監督:ジェームズ・マーシュ、出演:フィリップ・プティ、2008年、イギリス、テアトル・タイムズ・スクエア

今はなきNYの世界貿易センタービル(ツインタワー)の間にワイヤーを張って綱渡りをした男、フィリップ・プティのドキュメンタリー。このビルの建設計画の新聞記事を見た瞬間に、「ここで綱渡りをしたい!」という思いに取り憑かれてしまったというから、尋常じゃない。警備が厳重なビルに忍び込んで実行する計画は、まるで銀行強盗でもしにいくかのよう。天空に張られた1本のワイヤーの上を人間が歩き、寝そべる姿は、何とも言えず不思議で優雅な光景だった。
現在のフィリップ・プティとこの計画にたずさわった仲間たちへのインタビューと、再現映像で綴られている。ハイテンションでよく喋るフィリップと彼を支えた仲間の様子の温度差が興味深い。このことで一躍時の人となったフィリップだが、一方で妻とも仲間とも絆が壊れてしまったらしいことが見て取れる。人間、すべてを手に入れることは難しい。

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2009年06月18日

女殺油地獄、空気人形

女殺油地獄歌舞伎座の6月公演昼の部で片岡仁左衛門主演の「女殺油地獄」が上演されている。仁左衛門さん自身は「これは若い人がやった方がいい役だから」と10年前に、これきり最後と言って上演した。でも、今回は歌舞伎座のさよなら公演でどうしてもと請われて「もう、ほんまに最後です」と言って今月上演している。片岡孝夫時代の当たり役として有名なこの演目、わたしは観たことがなかったので、この最後のチャンスにどうしても観たかった。チケットは気がついたときには、全日売り切れ(夜の部は全日残ってるのに^^;)。なんで、初めて一幕見に挑戦した。

念のために1時間以上前に行ってみると、すでに長い行列が! 係の人に聞くと、その更に1時間前から並び始めていたらしい。「女殺〜」は4幕目。そのときは丁度3幕目の「蝶の道行」の一幕見の受付が始まろうとしていた。聞けば3,4幕分のチケットを一緒に買うこともできるし、すでに立ち見で、もうすぐ札止めだとも言うので、この際だと思って3幕目から観ることにした。

一幕見の席は急な階段を登って4階。座席はすでに一杯でその後ろに立ってみるスペースがある。立つ場所も2列あり、前列は手すりにちょっと寄っかかれるようになっていて、後列にはひな壇があってそこに立って壁に寄りかかれる。前回座った花道に近い側の3階端っこの席は、花道も舞台の左側も見えず、かなりいらついた。今回の方が遠いけれど、舞台は全体を見渡せ、花道はほとんど見えないけれど、役者が最後の見得を切るあたりまでは何とか見える。ただし、わたしが立った位置の頭のすぐ上にエアコンがあってうるさくて、役者の声がちょっと小さいとセリフが聞き取れない。立ち位置は吟味した方がいい。

よく知らずに観た舞踊「蝶の道行」が、とても美しかった。生前に結ばれることのなかった恋人たちが蝶になって春の野を舞う明るい前半と、地獄の責め苦に遭って悲劇的な最期を遂げる後半の対比が面白い。舞台は春の野ということで、2人が蝶のサイズに見えるよう、たくさんの大きな花が描かれている。でも、描かれている花が夏や秋のものが多いのはなんでやろ。

お目当ての「女殺〜」はやはり面白かった。浪速のアホぼん・与平が口からでまかせ、見栄の張りっぱなしで、とうとう商売仲間で身内同然の付き合いをしていた家の奥さんを手にかけてしまうまでを描いたお話。1度は改心するかに見えたアホぼんが殺人にいたるまでの急展開と、暗闇で油まみれになって転がりながら手を下す場面は、一瞬で芽生える殺意と緊張、無我夢中で飛びかかり、次第に殺しに快楽すら感じ始めるのに、いざ殺してしまうと急に恐ろしくなる与平の変化がよくわかる。ここの部分の音楽も秀逸。どんなアホでも見捨てられない切ない親心を描く部分も見どころ。性根の腐ったアホやけど、なんかどっか憎みきれず、色気のある男やった。仁左衛門さんは「こういう若さを出す演技はもう疲れるんです」と言ってはったけど、うちはこのチャンスを得られてほんま良かったと思う。2時間半立ち見はさすがにしんどかったけど。

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2009年06月17日

アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン

『アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン』監督:トラン・アン・ユン、出演:ジョシュ・ハートネット、木村拓哉、イ・ビョンホン、余文楽(ショーン・ユー)、2009年、フランス、川崎TOHOシネマズ

殺人鬼の捜査で自らも狂気の縁に立ってしまった元刑事クライン。彼は世界一の製薬会社社長から行方不明の息子・シタオを探しだして連れ帰ることを依頼される。シタオの足跡をたどって行き着いた香港で、友人の刑事メンが追うマフィアのスを知る。スは愛する女リリが行方不明になり、狂ったように探していた。そのリリはシタオによってヤク中の苦しみから救われていた。シタオには人の苦しみをその身に引き受けて癒す不思議な能力があるのだった。

トラン・アン・ユンによる、現代の、しかもアジアにキリストが降り立ったらどうなるかについての思考実験のように感じる。救済がテーマだけれど、聖なる空気はなく、むしろ性なる空気に満ちている。
ジョシュもキムタクもビョンビョンも肉体をさんざっぱらさらけ出し、苦悶の表情を浮かべる。ジョシュは王家衛(ウォン・カーワイ)作品の梁朝偉(トニー・レオン)のごとく、白ブリーフいっちょで苦悩する。キムタクは白だったけどブリーフじゃなかったな。あそこはやっぱり薄汚れた白ブリーフでしょう。浮浪者のような生活してるんだから。ツメが甘いな。
ビョンビョンは女を失ってずっと泣きそうな顔しながら、トンカチで人殺してた。殺されるのは呉嘉龍(カール・ン)。
香港映画ファンとしては、ロケの大部分が香港で、香港の俳優が他にも結構でているのが見逃せない。余文楽(ショーン・ユー)はクラインを補佐するかなり重要な役。他にも李燦森(サム・リー)、谷祖琳(ジョー・コク)。ビョンビョンの手下をやっていたのは、名前は知らないけれど『傷だらけの男たち』で強姦殺人魔&ストーカー男をやっていた彼だよな。

劇場にはレディース・デイということもあって、99%女性客でかなり埋まっていた。帰りしなに耳に入ってきた会話。「よくわからないというか」「感想の言いようがないね」

ところで「シタオ」ってどこの国の名前なんだろう・・・

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2009年06月10日

ウルトラミラクルラブストーリー、イサム・カタヤマ=アルチザナル・ライフ、ハゲタカ

『ウルトラミラクルラブストーリー』監督:横浜聡子、出演:松山ケンイチ、麻生久美子、2009年、日本、川崎TOHOシネマズ

青森で農業をして暮らす陽人は東京から来た町子先生に一目惚れし、両思いになりたいと突き進む。

わけがわかりません。まさしく予測不能です。左脳で観ると痛い目にあいます。でも、松山ケンイチの一挙手一投足からも首のないARATAからも目が離せません。熊が・・・ 熊が・・・

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2009年06月06日

ターミネーター4

『ターミネーター4』監督:マックG、出演:クリスチャン・ベイル、サム・ワーシントン、アントン・イェルチン、2009年、アメリカ、チネチッタ川崎

審判の日後、わずかに残った人間とスカイネットとの戦いが続く2018年。ジョン・コナーは抵抗軍のリーダーとして戦っていたが、母から聞いていた未来と少しずつ違ってきていることに戸惑いを感じている。自分の父となる少年カイル・リースは存在するはずだが、未だに出会えていない。スカイネットもカイル・リースを探していた。そしてマーカス・ライトという謎の男が現れる。

旦那がターミネーターシリーズを大好きなもので、先行上映に行ってきました。これもトレイラーをみて「あ〜あ、なんだかわかちゃったな・・・」とがっくりした。大方予想通りだったが、最後は意外な展開。今年に入って3本目のアントン・イェルチンくん。華奢でひ弱そうに見えて、生きる知恵と度胸に溢れたカイル・リースを、これまでとはまたぜんぜん違った雰囲気で演じていました。
ここから、思いっきりネタバレなんでご注意を!

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2009年06月04日

築城せよ!、夏時間の庭

『築城せよ!』脚本・監督:古波津陽、出演:片岡愛之助、海老瀬はな、阿藤快、江守徹、2009年、日本、試写

過疎に悩む町で、城跡に城を復元して観光客を呼ぼうという町民と、工場を誘致して雇用促進を図ろうとする町長たちが対立している。そのとき、400年前の武将たち霊が、井戸に落ちたダメダメの役所員、宮大工の頭領、ホームレスの3人に取り憑き、驚く町民たちに向かって「築城せよ!」と命じる。しかし、そんな簡単に城が建てられるわけがない。時間もお金もない中で、思いついたのは段ボールを使うこと。乗り気でなかった町の人たちも、男たちの熱意にほだされ、次第に段ボールでの城作りに熱中していく。町長一派はその様子を苦々しく見ていて、一計を案ずる。

一見地味そうな作品だが、これがかなり面白い。現代に武将が蘇って段ボールで城を造るってのがまず奇想天外。また端々にシュールな笑いが散りばめられているのが楽しい。役者陣は地味だけど、芸達者な人たちが集まっていて、イイ間で笑わせる。物語をもうちょっとシンプルに凝縮させたら一層面白かったろう。
みんなで物作りをすることの楽しさ、熱気が伝わってきてワクワクした。

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2009年06月03日

インスタント沼

『インスタント沼』監督・脚本:三木聡、出演:麻生久美子、風間杜夫、加瀬亮、松坂慶子、2009年、TOHOシネマズ川崎

担当雑誌が休刊になり、母はカッパを探しに行って沼に落ちて意識不明と、人生泥沼化している沈丁花ハナメが、偶然手に入れた昔の母の手紙から本当のお父さんは別にいるらしいことを知り、会いに行ってみるとそこにいたのは電球と名乗る、骨董屋のあまりにも怪しいオヤジだった。

しょっぱなから怒涛の三木聡ワールドが展開し、この部分作るだけでどんだけ撮るのに時間かかったんだろうと妙に感心。すべてにおいて奇をてらっているのだけれど、奇をてらっただけに終わっていないのが凄い。予測不能な展開だけど、感情の流れに無理を感じない。見終わると不思議と元気になる映画だ。
麻生久美子さん、『おと な り』にこれに、『ウルトラミラクルラブストーリー』と6月だけで3本主演作が上映されます。のってますね。

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2009年06月02日

大捜査之女

『大捜査之女』脚本・監督:麥兆輝(アラン・マック)、莊文強(フェリックス・チョン)、出演:鄭秀文(サミー・チェン)、陳奕迅(イーソン・チャン)、2008年、香港、DVD

石油の違法取引で財をなしている霍青松(イーソン)は、手下が警察の取り締まりから逃れようとして起こした事故で、警察にも仲間内からも恨みを買ってしまう。事故から3か月後、霍の一人息子が誘拐された。事件の担当となったのは香港警察の敏腕女刑事・司徒慕蓮(サミー)。しかし彼女自身の妊娠と甲斐性のない夫の浮気が発覚し、精神的にはパニック寸前の状態だった。

珍しくイーソンが黒社会のボスを演じている。表面的にはいたって冷静なビジネスマンでものすごい子煩悩な父親だけど、自ら手を下すことも厭わない悪い奴。でも、もひとつ悪い面の凄みが足りない気がする。イーソン=いい人のイメージが強いせいか。サミーは久しぶりの映画出演。元気になって良かったけど、あいも変わらず落ち着きのない女を演じていて、もうちょっと変化があって欲しかった。
最初の方、任賢齋(リッチー・レン)が面白い役で友情出演している。

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2009年06月01日

おと な り

『おと な り』監督:熊澤尚人、出演:岡田准一、麻生久美子、2009年、日本、109シネマズ川崎
東京の古いアパートの隣同士に住む男女。壁が薄くて隣の音が筒抜けなため、気を遣いながらも何となくその音に癒されることも少なくない。しかし2人は顔を合わせたことはなかった。プロのカメラマンの男はトップモデルであり親友の専属で、キャリアを積んできたが、本当は自然を撮りたいと思い続けている。事務所を辞めてカナダへ行こうと計画しているが、親友にそのことを言えずに悩んでいた。女は花屋に勤めながら、フラワーコーディネータの資格を取り、フランスへ留学する予定でいる。

隣通しに住みながらずっとすれ違い続ける設定が、幾米の「向左走・向右走」にちょっと似ているなぁ。金城武と梁詠[王其](ジジ・リョン)で映画化されたのは、なんだかなぁの出来だったけど、絵本はとてもいい。
熊澤監督らしい、瑞々しく美しい映像と繊細で奥ゆかしい主人公たち。音がもう1人の主人公だけに、凝った音響設計。最後ちょっと引っ張りすぎな気もするけど、なかなか楽しめた。岡田准一は本木雅弘についで所作が美しくて目をひく。ところで「SP」はどうなったんだ?

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