2009年08月04日

昭和八十四年、THEダイエット!

『昭和八十四年 1億3千万分の1の覚え書き』構成・演出:伊藤善亮、出演;飯田進、2009年、日本、試写
大正12年生まれの飯田進さんは、青年期のすべてを戦場と牢獄で過ごした。太平洋戦争ではニューギニア戦線に送られ地獄のような体験をし、戦後はBC級戦犯として裁かれ巣鴨プリズンに長く収容された。ようやく釈放され、家庭を持ち、社会生活を楽しむことができるようになったころ、飯田さん一家をサリドマイド薬害事件の悲劇が襲う。妻が妊娠期に飲んだサリドマイドが長男の腕を奪ったのだ。それ以来、飯田さんは薬害訴訟と障害児童福祉に打ち込んでいく。

1人の人間にこれほど多くの昭和の闇が降りてくるなんてと、ため息が出る。でも、飯田さんは決してへこたれず、自分の犯した罪とも、薬害とも、真摯に向き合い、考え続け、闘い続けて生き続けている。凄い人がいるもんだと思う。しかし一方で、家庭生活においては、良好な親子関係を築くことができず、一層の苦しみを招く結果となってしまっている。亡くなった奥さんが、娘に言った言葉「ごめんね、あんな大変な人を残して死んで」。
飯田さんと亡くなったうちの父は同い年。父の生前、うちの母は「お父さんを残しては死ねない」といい、うちら子どもも真剣にそうならないことを願った。うちの亡父はもっとへたれだったけど、妙に親近感を覚えた。

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2009年07月23日

シネマ歌舞伎 牡丹灯籠、イメルダ

怪談牡丹灯籠『シネマ歌舞伎 怪談牡丹灯籠』原作:三遊亭円朝、脚本:大西信行、演出:戌井市郎、出演:片岡仁左衛門、坂東玉三郎、2007年10月、歌舞伎座公演

「幽霊より怖い人間の業」とあるように、発端は幽霊話なんやけど、欲に目がくらんだ二組の男女がたどる末路を描いた、恐ろしくも哀しいお話。
仁左衛門の伴蔵と玉三郎のお峰夫婦のやりとりが絶品!! 長屋の貧乏人夫婦の仲の良いやりとりも、繁盛店の旦那女将となったのに、お茶屋通いが過ぎる伴蔵を責めるお峰の夫婦げんかも、テンポ・間ともに絶妙で、ゲラゲラ笑える。そんな夫婦がラストの悲劇へと落ちていくのがまた哀しくて。あぁ、これははまる。歌舞伎を観たことがない人でも、これは絶対面白く観られると思う。

愛之助の新三郎と中村七之助のお露の2人の儚さもよく、特に最後のお露が新三郎の魂を奪いさるシーンの美しさは焼き付いた。
板東三津五郎は三遊亭円朝、冒頭に出てくる船頭、後半の馬子の久蔵の3役。お峰にのせられて伴蔵の御茶屋での所行を白状させられる下りがまた面白い。

映像だとアップで役者の表情がよく見えるというメリットがある。それにこの時期のこの配役での舞台がいつでも観られる美しい映像と音で記録されていることは、本当にありがたい。でも、やっぱり生の舞台を客席で空気をダイレクトに感じながら観たかったとも思ってしまう。

10月10日(土)〜11月13日(金)まで、シネマ歌舞伎全作品を東劇で特集上映するそうです。見逃した作品を観られるチャンス! 通いそうな気がする・・・

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2009年07月22日

わたし出すわ

『わたし出すわ』監督・脚本:森田芳光、出演:小雪、黒谷友香、井坂俊哉、山中崇、小澤征悦、小池栄子、2009年、日本、試写

突然、東京から故郷の函館に帰ってきた摩耶は、高校の友人たち5人と再開する。世界の市電を乗って回りたい市電運転手の道上保。マラソンランナーとして再起を図りたい川上孝。世界的注目をあびる養魚試験場の研究員保利満。地元有名企業の社長夫人となりながら夫の急死でホステスに逆戻りした魚住サキ。箱庭作りが趣味の夫を持つ主婦の平場さくら。それぞれの夢を叶えるために摩耶は資金の提供を申し出る。

摩耶の目的が何なのか、どうしてそんなにお金を持っているのか明かされず、彼女の差し出すお金が静かな街の友人たちの暮らしに次々と波紋を広げていく。夢が叶う者もいれば、悲劇を呼ぶ結果になる者も。お金は貸しても借りても気持ちの良いものじゃない。
摩耶を演じる小雪はとても自然体で、柔らかい空気を持ちながらも、ミステリアスで何を考えているのかよくわからない。そういう役だから、はまっている。話自体が、リアリティをあまり感じないのが今ひとつ。

完成披露試写会で、客席には小澤征悦さんのお父上、小澤征爾さんがいらしていて、上映終了後ロビーで2人が並んで話している姿を見た。やっぱり親子、並ぶと似ている。

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2009年07月16日

悪夢のエレベーター、ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破

『悪夢のエレベーター』監督:堀部圭亮、出演:内野聖陽、佐津川愛美、モト冬樹、斎藤工、2009年、日本、試写

男が目を覚ますとそこはエレベーターの中。彼の目に飛び込んできたのは、関西弁でまくし立てる怪しげな男と、上下ジャージ姿のおっさんと、黙りこくるゴスロリ少女。男がエレベーターに乗った直後、エレベーターが急降下し停止して、彼は頭を打って気を失ったのだという。呼び出しボタンも、監視カメラも壊れている、携帯もない。大いに焦る男。なぜなら彼は身重の妻からお腹が痛いとSOSの電話を受けて、向かっている途中だったから。ど、どうする!

というところまでしか、内容については書けません。えぇ? えぇ? えぇ〜?!の連続で、絶対面白いです! まさしく悪夢のエレベーターだわ。 監督は、役者としてもバラエティーの放送作家としても活躍中の堀部圭亮さん。長編第1作目ですが、とてもそうは思えない出来の良さ。出演陣では佐津川愛美さん、大注目です。10月公開。

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2009年07月15日

MW-ムウ-、サンシャイン・クリーニング

『MW-ムウ-』監督:岩本仁志、原作:手塚治虫、出演:玉木宏、山田孝之、2009年、109シネマズ川崎
殲滅された島から生き残った2人の少年。1人は神父に、1人は復讐に燃える鬼となり、事件に関わった人間を1人、また1人と殺しながら、謎の存在MWに近づいていく。

犯罪エンタメとして面白くないわけじゃないけど、こぎれいすぎてえぐさが足りない。もっとがっつりBLを描いて欲しかった。でないと、どうしても結城を止められない賀来の清濁混合の思いが浮かび上がらない。

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2009年07月06日

牡丹亭、ワイルド・スピードMAX

牡丹亭『シネマ歌舞伎特別篇 牡丹亭』監督:十河壮吉、出演:坂東玉三郎、兪玖林、沈国芳、2008年、日本、東劇

坂東玉三郎が昆劇の名作「牡丹亭」を、昆劇の故郷蘇州で上演したときのドキュメンタリー(第1部)と舞台の映像(第2部)。
ドキュメンタリーでは、昆劇学院の役者と互いに互いの技を指導しあう姿や、南京大学での講演で学生たちと交流する様子が興味深かった。『覇王別姫』が日本で公開後、玉三郎が張國榮(レスリー・チャン)と会ったときの話がちょっとだけ出てくる。短いけれど、芸道を極めようとする人間同士、相通じ合うものがあったのだろうと思わせる内容だった。
舞台の方は、最初の方は一瞬眠気に襲われたのだけど、「離魂」の場面が素晴らしく、こちらの魂まで画面に吸い込まれそうになる。
「牡丹亭」って、てっきり悲劇なんだと思っていたら、最終的にはハッピーエンドで、すごく意外だった。

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2009年07月01日

いけちゃんとぼく、ディア・ドクター、劔岳〜点の記〜

『いけちゃんとぼく』脚本・監督:大岡俊彦、出演:深澤嵐、蒼井優(いけちゃんの声)、2009年、日本、109シネマズ川崎

毎日いじめっ子に殴られても、お父ちゃんが酔っぱらって死んでも、ぼくのそばにはいつもいけちゃんがいて見守っていてくれる。でも、いけちゃんが何なのかなんて考えたこともなかった。少しずつ大人になって、いけちゃんに会える時間が減っていった。

原作は立ち読みで読んだ(^^;)。絶対泣ける本とか言われていて、確かにラストでちょっとうるっときたけど、それよりもサイバラが恋愛ものを描いていることに驚いた。
映画は本よりもぼくが幼児期から少年期へと成長する過程についてエピソードを盛り込んで膨らましている。お父ちゃんの情けない部分に直面したり、どこへ行っても同じ様な力と力の争いがあって、きりなくむなしいことに気づいてしまったり、子ども時代の無邪気さを奪われる代わりに、自分で考えて行動する強さを手に入れていく様子は、頼もしくもあるけれど、寂しいような、可哀想なような、切ない気持ちにさせられて、映画の半ばからずっと泣いてた。

子ども連れのお母さん客が非常に多い。隣も2人の子どもと一緒だった。お兄ちゃんの方はポップコーンばりばり食べながら、映画に集中してたけど、妹の方は半ばぐらいから我慢ができなくなってきて、「帰る〜」。ちょっと映画に来るには幼すぎたね。

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2009年06月25日

風のかたち、大きな家

『風のかたち −小児がんと仲間たちの10年−』監督:伊勢真一、出演:小児癌を患った子どもたち、2009年、日本、試写

1999年から10年来、伊勢監督は、小児癌の子どもたちと医師の病気との闘いと、彼らが毎年行ってきたサマーキャンプの様子を撮り続けてきた。小児癌はもう不治の病ではない。8割は完治できるという。それでもその治療は難しく、患者にとってつらくて苦しいものであることは変わらない。社会的偏見もあるし、本人も子どもの時期に大きな病気をしたことで他の人たちと同じように元気に暮らしていけるのかという不安を抱えている。何より幼くして死と直面するつらい体験は経験したものでなければわからない部分が沢山ある。
サマーキャンプは、聖路加国際病院小児科の細谷先生たちが中心となって始められた。今現在病気と闘う子どもたちや、かつて闘って克服してきた子どもたち、そして医師や看護師たちが全国から集まって海や山でキャンプをする。そこでは悩みや不安を、何の前置きもなく話すことができる。みんな心底楽しそうな顔をしている。友となって別れのときにかわされる「来年もまた会いましょう」という言葉の重さは、普段使われるよりもずっとずっと重い。

人の痛みを深く思いやり、人を助ける仕事がしたいと語る子どもたちがいる。病気を克服し、大きくなって、「看護師になりたい」「お母さんになりたい」という夢を実現した子どもたちがいる。10年という長い歳月を地道に撮り続けたことによってカメラがとらえられた「希望」。ささやかに、光り輝く。

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2009年06月24日

マン・オン・ワイヤー、ラッシュ・ライフ、精神

『マン・オン・ワイヤー』監督:ジェームズ・マーシュ、出演:フィリップ・プティ、2008年、イギリス、テアトル・タイムズ・スクエア

今はなきNYの世界貿易センタービル(ツインタワー)の間にワイヤーを張って綱渡りをした男、フィリップ・プティのドキュメンタリー。このビルの建設計画の新聞記事を見た瞬間に、「ここで綱渡りをしたい!」という思いに取り憑かれてしまったというから、尋常じゃない。警備が厳重なビルに忍び込んで実行する計画は、まるで銀行強盗でもしにいくかのよう。天空に張られた1本のワイヤーの上を人間が歩き、寝そべる姿は、何とも言えず不思議で優雅な光景だった。
現在のフィリップ・プティとこの計画にたずさわった仲間たちへのインタビューと、再現映像で綴られている。ハイテンションでよく喋るフィリップと彼を支えた仲間の様子の温度差が興味深い。このことで一躍時の人となったフィリップだが、一方で妻とも仲間とも絆が壊れてしまったらしいことが見て取れる。人間、すべてを手に入れることは難しい。

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2009年06月18日

女殺油地獄、空気人形

女殺油地獄歌舞伎座の6月公演昼の部で片岡仁左衛門主演の「女殺油地獄」が上演されている。仁左衛門さん自身は「これは若い人がやった方がいい役だから」と10年前に、これきり最後と言って上演した。でも、今回は歌舞伎座のさよなら公演でどうしてもと請われて「もう、ほんまに最後です」と言って今月上演している。片岡孝夫時代の当たり役として有名なこの演目、わたしは観たことがなかったので、この最後のチャンスにどうしても観たかった。チケットは気がついたときには、全日売り切れ(夜の部は全日残ってるのに^^;)。なんで、初めて一幕見に挑戦した。

念のために1時間以上前に行ってみると、すでに長い行列が! 係の人に聞くと、その更に1時間前から並び始めていたらしい。「女殺〜」は4幕目。そのときは丁度3幕目の「蝶の道行」の一幕見の受付が始まろうとしていた。聞けば3,4幕分のチケットを一緒に買うこともできるし、すでに立ち見で、もうすぐ札止めだとも言うので、この際だと思って3幕目から観ることにした。

一幕見の席は急な階段を登って4階。座席はすでに一杯でその後ろに立ってみるスペースがある。立つ場所も2列あり、前列は手すりにちょっと寄っかかれるようになっていて、後列にはひな壇があってそこに立って壁に寄りかかれる。前回座った花道に近い側の3階端っこの席は、花道も舞台の左側も見えず、かなりいらついた。今回の方が遠いけれど、舞台は全体を見渡せ、花道はほとんど見えないけれど、役者が最後の見得を切るあたりまでは何とか見える。ただし、わたしが立った位置の頭のすぐ上にエアコンがあってうるさくて、役者の声がちょっと小さいとセリフが聞き取れない。立ち位置は吟味した方がいい。

よく知らずに観た舞踊「蝶の道行」が、とても美しかった。生前に結ばれることのなかった恋人たちが蝶になって春の野を舞う明るい前半と、地獄の責め苦に遭って悲劇的な最期を遂げる後半の対比が面白い。舞台は春の野ということで、2人が蝶のサイズに見えるよう、たくさんの大きな花が描かれている。でも、描かれている花が夏や秋のものが多いのはなんでやろ。

お目当ての「女殺〜」はやはり面白かった。浪速のアホぼん・与平が口からでまかせ、見栄の張りっぱなしで、とうとう商売仲間で身内同然の付き合いをしていた家の奥さんを手にかけてしまうまでを描いたお話。1度は改心するかに見えたアホぼんが殺人にいたるまでの急展開と、暗闇で油まみれになって転がりながら手を下す場面は、一瞬で芽生える殺意と緊張、無我夢中で飛びかかり、次第に殺しに快楽すら感じ始めるのに、いざ殺してしまうと急に恐ろしくなる与平の変化がよくわかる。ここの部分の音楽も秀逸。どんなアホでも見捨てられない切ない親心を描く部分も見どころ。性根の腐ったアホやけど、なんかどっか憎みきれず、色気のある男やった。仁左衛門さんは「こういう若さを出す演技はもう疲れるんです」と言ってはったけど、うちはこのチャンスを得られてほんま良かったと思う。2時間半立ち見はさすがにしんどかったけど。

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2009年06月10日

ウルトラミラクルラブストーリー、イサム・カタヤマ=アルチザナル・ライフ、ハゲタカ

『ウルトラミラクルラブストーリー』監督:横浜聡子、出演:松山ケンイチ、麻生久美子、2009年、日本、川崎TOHOシネマズ

青森で農業をして暮らす陽人は東京から来た町子先生に一目惚れし、両思いになりたいと突き進む。

わけがわかりません。まさしく予測不能です。左脳で観ると痛い目にあいます。でも、松山ケンイチの一挙手一投足からも首のないARATAからも目が離せません。熊が・・・ 熊が・・・

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2009年06月04日

築城せよ!、夏時間の庭

『築城せよ!』脚本・監督:古波津陽、出演:片岡愛之助、海老瀬はな、阿藤快、江守徹、2009年、日本、試写

過疎に悩む町で、城跡に城を復元して観光客を呼ぼうという町民と、工場を誘致して雇用促進を図ろうとする町長たちが対立している。そのとき、400年前の武将たち霊が、井戸に落ちたダメダメの役所員、宮大工の頭領、ホームレスの3人に取り憑き、驚く町民たちに向かって「築城せよ!」と命じる。しかし、そんな簡単に城が建てられるわけがない。時間もお金もない中で、思いついたのは段ボールを使うこと。乗り気でなかった町の人たちも、男たちの熱意にほだされ、次第に段ボールでの城作りに熱中していく。町長一派はその様子を苦々しく見ていて、一計を案ずる。

一見地味そうな作品だが、これがかなり面白い。現代に武将が蘇って段ボールで城を造るってのがまず奇想天外。また端々にシュールな笑いが散りばめられているのが楽しい。役者陣は地味だけど、芸達者な人たちが集まっていて、イイ間で笑わせる。物語をもうちょっとシンプルに凝縮させたら一層面白かったろう。
みんなで物作りをすることの楽しさ、熱気が伝わってきてワクワクした。

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2009年06月03日

インスタント沼

『インスタント沼』監督・脚本:三木聡、出演:麻生久美子、風間杜夫、加瀬亮、松坂慶子、2009年、TOHOシネマズ川崎

担当雑誌が休刊になり、母はカッパを探しに行って沼に落ちて意識不明と、人生泥沼化している沈丁花ハナメが、偶然手に入れた昔の母の手紙から本当のお父さんは別にいるらしいことを知り、会いに行ってみるとそこにいたのは電球と名乗る、骨董屋のあまりにも怪しいオヤジだった。

しょっぱなから怒涛の三木聡ワールドが展開し、この部分作るだけでどんだけ撮るのに時間かかったんだろうと妙に感心。すべてにおいて奇をてらっているのだけれど、奇をてらっただけに終わっていないのが凄い。予測不能な展開だけど、感情の流れに無理を感じない。見終わると不思議と元気になる映画だ。
麻生久美子さん、『おと な り』にこれに、『ウルトラミラクルラブストーリー』と6月だけで3本主演作が上映されます。のってますね。

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2009年06月01日

おと な り

『おと な り』監督:熊澤尚人、出演:岡田准一、麻生久美子、2009年、日本、109シネマズ川崎
東京の古いアパートの隣同士に住む男女。壁が薄くて隣の音が筒抜けなため、気を遣いながらも何となくその音に癒されることも少なくない。しかし2人は顔を合わせたことはなかった。プロのカメラマンの男はトップモデルであり親友の専属で、キャリアを積んできたが、本当は自然を撮りたいと思い続けている。事務所を辞めてカナダへ行こうと計画しているが、親友にそのことを言えずに悩んでいた。女は花屋に勤めながら、フラワーコーディネータの資格を取り、フランスへ留学する予定でいる。

隣通しに住みながらずっとすれ違い続ける設定が、幾米の「向左走・向右走」にちょっと似ているなぁ。金城武と梁詠[王其](ジジ・リョン)で映画化されたのは、なんだかなぁの出来だったけど、絵本はとてもいい。
熊澤監督らしい、瑞々しく美しい映像と繊細で奥ゆかしい主人公たち。音がもう1人の主人公だけに、凝った音響設計。最後ちょっと引っ張りすぎな気もするけど、なかなか楽しめた。岡田准一は本木雅弘についで所作が美しくて目をひく。ところで「SP」はどうなったんだ?

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2009年05月20日

真夏の夜の夢、スティル・アライブ

『真夏の夜の夢』監督:中江裕司、出演:柴本幸、蔵下穂波、平良とみ、2009年、日本、試写

東京で不倫の恋に疲れて故郷の世嘉冨(ゆがふ)島に帰ってきたゆり子。そのゆり子を島の三角山のてっぺんから見ていたのは、島の守り神・キジムンのマジルー。マジルーとゆり子は子どもの頃に出会ってある約束をし、マジルーは今もそれを守っていた。島は村長の息子の結婚式の準備で盛り上がっている。しかし島人はキジムンの存在を忘れがち。忘れられたキジムンは消えていくしかない・・・

シェイクスピアの「真夏の夜の夢」に沖縄の伝統と現代社会の問題をアレンジしたファンタジー。最後が●●●●なのが、ちょっと気に入らない。『ナビィの恋』『ホテル・ハイビスカス』の中江監督だけに、沖縄への愛が詰まっている。劇中劇の「大琉球王国由来記」がよくできていて、観客役の地元の人たちが本気で笑っているのがわかる。

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2009年04月22日

女の子ものがたり

『女の子ものがたり』監督:森岡利行、出演:深津絵里、大後寿々花、福士誠治、2009年、日本、試写

西原理恵子の漫画が原作。自伝的要素の強いお話。
創作意欲がわかず、ドツボにはまっている漫画家が、若い編集者とのやりとりの中で、故郷の友だちとの日々を思い出す。貧乏で、幸せになりたいと願いながらも、どこかずれた方向へと向かってしまう彼女たちを、大切な友だちと思いつつも、自分はここではないどこか遠くへ出ていって、彼女たちとは違う道を歩みたいと願っていた。東京に来て以来ずっとフタをしてきたあの頃の気持ちに向き合い始める。

友達って、仲は良くても、どっかでお互いに「そうやないんとちゃう?」と思っている部分があると思う。女友達の場合は特にそう。信頼と憧れと嫉妬がないまぜになった、微妙な空気が表せているのがよかった。

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2009年04月18日

鴨川ホルモー

『鴨川ホルモー』監督:本木克英、出演:山田孝之、栗山千明、濱田岳、2009年、日本、チネチッタ川崎

2浪してやっと京都大学に入学した阿部は、謎のサークル京大青龍会に勧誘され、そこにいた美女につられて入部。実はこのサークルは京都で1000年続くという祭り「ホルモー」を行うことが目的だった。「ホルモー」とはオニと呼ばれる式神を操り、京都にある4大学対抗で対戦をするものだというのだが、入部したばかりの1年生にはまだオニが見えない。オニ語をマスターし、ある儀式を経ないと見えないのだという。半信半疑のまま、阿部たちはオニ語習得のための訓練を始める・・・

結局何の映画なのかと聞かれると、よくわかんないんだけど、とにかく奇想天外な設定と、奇妙奇天烈なオニ語を真剣に操る美男美女たちのくずれっぷりに笑ってしまう。まさかの吉田寮(本物)も出てくるし。

うちの元京大生と一緒に見に行ったんですが、曰く「いくら何でも走りすぎやろ」 ロケ地がどこかわかってまうもんで・・・

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2009年04月08日

非女子図鑑、交響詩篇エウレカセブン

『非女子図鑑』監督:清水崇、豊島圭介、山口雄大、深川栄洋、川野浩司、オースミユーカ、塚本連平、出演:鳥居みゆき、足立梨花、山崎真美、月舟さらら、片桐はいり、江口のりこ、仲里依紗、2009年、日本、試写

オムニバス映画なのだが、前半はここで描きたい非女子って何?? という状態で、このまま続いたら最悪だと思ったが、後半尻上がりに面白くなった。「死ねない女」は自殺しようと思った女の子が、いざとなると部屋の汚さやら、さびた包丁やら、化粧っ気のない自分やらが気になって、なかなか死ねない話。わろた。

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2009年02月25日

チェ39歳別れの手紙、20世紀少年第2章、少年メリケンサック

『チェ 39歳別れの手紙』監督:スティーブン・ソダーバーグ、出演:ベネチオ・デル・トロ、2008年、米国、チネチッタ

ボリビアへ密入国して革命運動を始めるも、国内の共産党の支援は受けられず、政府軍への米国の強力な支援もあって、革命軍はどんどんと孤立していく。メディアを使った広報活動をしている様子はなく、ゲリラとしての戦闘活動だけでは、広く国民の支持をえられるはずもない。共産党と決裂した時点で、完全に手詰まりだったんだろうか。ほとんどがチェの身の回りの状況を描くことに徹している。もちろんそれは意図してそう撮っているんだろうけれど、観ているこっちは彼を追い詰めていく全体の政治状況をもう少し詳しく知りたいという欲求に駆られる。

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2009年02月12日

パラレル、ベルサイユの子、キャラメル

『パラレル』監督:武藤数顕、出演:要潤、島谷ひとみ、2009年、日本、試写

Jリーガーだった男性が愛する女性との結婚を控えていたときに、自動車事故を起こし下半身不随に。絶望にうちひしがれる彼を婚約者の彼女は献身的に支え、彼は車いすバスケットボールに出会う。

パラリンピックバスケットボール代表の主将を務めた方の実話がベース。
要潤はバスケットの他の選手と並ぶと上半身の細さが目立って、選手に見えない。島谷ひとみは彼のそばを離れず介護をすると覚悟を決めた女性なのに、綺麗にマニキュアした長い爪ではまるでリアリティがない。

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