2007年10月22日

第20回東京国際映画祭 その2

『帰郷』監督:張楊(チャン・ヤン)、出演:趙本山(チャオ・ベンシャン)、2007年、中国・香港

チャオとリュウはシンセンに出稼ぎに来ていたが、リュウは酒野の飲み過ぎで急死してしまう。チャオは生前の友との約束どおり、遺体を故郷に帰すため、彼を背負って長い旅に出る。
旅の途中で、チャオは様々な困難に出くわすが、それら一つ一つが現代中国社会のもつ顔をパノラマ的に映し出す仕組みになっている。非情なしうちと、小さな温情とが交互に現れて、観ているこっちも泣いたり笑ったりと忙しい。主演がトップ喜劇役者ということで、旅の途中で出会う脇役の人々も豪華な面々がそろっている。夏雨(シア・ユー)、胡軍(フー・シュン)、午馬(ウー・マ)、宋丹丹(ソン・タンタン)、郭涛(グオ・タオ)等等。スター俳優はみんないい人だったな(笑)。

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2007年08月02日

愛は一切に勝つ

『愛は一切に勝つ』脚本・監督:タン・チュイムイ(陳翠梅)、マレーシア、2006年、アテネ・フランセ
アテネ・フランセでやっている国際交流基金映画講座のヤスミン・アハマドとマレーシア新潮流での上映。去年の東京国際映画祭でこれだけ見逃していた。
田舎から街に働きに出てきて女の子が、一人の男と出会う。彼の強引な誘いに初めこそむかつくが、気がつけばすっかり彼の虜になっている。でもそれは、転落への第一歩だった。

男は途中で女を騙す手の内を彼女に明かしている。にもかかわらず、彼女はその通りに落ちていく。彼は言う「女なんて愚かなものだ。特に美人はそうだ。愛は一切に勝つと思っている」 むかつく言葉やけど、女にはそういう側面があるのも事実やろう。撮影はジェームス・リー(李添興)。
先だって観たこの監督の短編集でもそうだったけど、とにかく様々な言語が乱れ飛ぶのが面白い。主人公が電話で親と話すのは多分福建語。働く店の女主人の言葉や露天で上着を買うときは広東語。恋人となる男や女主人の娘などとは普通話。恋人が海辺の家で家主と話していたのはマレー語かな? 

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2007年07月18日

花蓮の夏 インタビュー

『花蓮の夏/盛夏光年』監督:陳正道(レスト・チャン)、主演:張容家(ブライアン・チャン)、張孝全(ジョセフ・チャン)、楊淇(ケイト・ヨン)、2006年、台湾、DVD
去年の東京国際映画祭のアジアの風部門で上映され、先週末に行われたレズビアン&ゲイ映画祭でも上映され好評を博した、『永遠の夏』が正式邦題『花蓮の夏』となって、11月に公開される。花蓮とは主人公たちが高校時代を過ごす場所の名前。映画祭にあわせてブライアンとジョセフが来日し、今日は二人にインタビューすることができた。
久しぶりの[青見]仔、しかも二人も目の前にして、ちょっと緊張してしもたわ。映画の役柄とは逆で、ジョセフよりもブライアンの方が元気がいい感じをうけた。インタビューの内容は、次号(71号)シネマジャーナルに掲載予定。

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2007年06月20日

陳翠梅(タン・チュイムイ)三部短片

先日のピート・テオのライブの時に、会場でマレーシア映画のDVDが販売された。その時に買ったひとつが「3 Short Films by Tan Chui Mui」。『South of South/南國以南』『A Tree in Tanjung Malim / 丹絨馬林[木果]樹』『Company of Mushrooms/蘑[(草冠)姑]兄弟們』の3作品が収録されている。

『South of South/南國以南』は11分の短い作品。1984年のマレーシア、Kuantan(関丹)が舞台。少年は両親とお婆ちゃんと家族4人で海辺に暮らしている。ある晩、ベトナム難民たちが浜辺に流れ着き、ボートを燃やしていた。そして少年が家族と食卓を囲んでいると、玄関に難民の親子が現れ、金を差し出し食べるものを請うた。お婆ちゃんは黙って釜のご飯を分け与える。少年には彼らがどういう人なのか、わからない。

『A Tree in Tanjung Malim / 丹絨馬林[木果]樹』26分。監督の虚構を交えた自伝的作品らしい。17歳の少女が学校をサボって、クアラルンプールに年の離れた男の友達を訪ねてくる。食事をし、ぽつりぽつりと話をし、街を歩き、歌を歌う。彼女は言う。「今朝、バスに乗って知らない場所で降りてしまったんだ。そしたら道の脇に大きな木があって、ふわふわした、ティッシュのような、白い花が降り続けていた」と。その夜を越えれば、18歳の誕生日だった。
若者特有のナイーブさと傲慢さを持った少女と、挫折を味わい、少々人生に疲れて大人の色気を漂わす男のコントラストがナイスです。この男をピート・テオが演じていて、かっこええんですわ。何しろ役名が”Beautiful Loser(美しき敗北者)”やからね(笑)。

『Company of Mushrooms/蘑[(草冠)姑]兄弟們』30分。4人の男たちが集まって、酒を飲み話をしている。話す内容はといえば、女の話題ばかり。恐妻家の男、女よりネコにばかりかまけてる男、女房と娘がいるのに浮気ばっかりしてる男、何でも最高のものを追い求め美しいモデルを妻にした男。情けない男たちを見つめる女性監督の優しい目を感じる。3人目の男を何宇恆(ホー・ユーハン)、4人目の男をピート・テオが演じている。会話の中に普通話と広東語と福建語がごちゃ混ぜになっていて、マレーシアの華人の日常ってこんななんだとよくわかる。ピートさんが普通話、広東語、福建語、潮州語、客家語ができると聞いて驚いたけど、こういう環境ならなんか納得する。

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2007年06月05日

[登卩]小平

『[登卩]小平』監督:丁蔭楠(ティン・インナン)、主演:廬奇(ルー・チー)、中国、2003年、試写にて
去年まで三百人劇場で開催されていた「中国映画の全貌」が、今年から新宿のK's cinemaで開催されることになりました。今年も7月21日〜9月7日までの期間に約70本ほどの作品が上映されます。その中で、新しい作品としては、『クレイジー・ストーン〜翡翠狂想曲』とこの『搶ャ平』が上映されます。

去年上映された『ニーハオ、[登卩]小平』がドキュメンタリーだったのに対し、この『[登卩]小平』は劇映画で、彼が3度目の失脚の後に名誉回復して、いよいよ改革の大なたを振るい始めるころからを描いる。
演じている廬奇が似てる。四川訛りの強いしゃべり方とか、表情とか。これまでも何度も搶ャ平を演じている役者らしい。内容は、国家お墨付きの作品らしく、思いっきり国策映画なんやけど、それでも文革の嵐の後、いかにして共産主義思想に凝り固まった中央と国民を、改革開放路線へと転換させていったのか、その苦労の一端がかいま見られる。話、3分の1と思って観ても、この人が政治家として非常に優れていたことはわかる。どっかの首相に、爪の垢を煎じて飲ませたい。

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2007年03月02日

満城盡帯黄金甲

『満城盡帯黄金甲』監督:張藝謀、主演:鞏俐(コン・リー)、周潤發(チョウ・ユンファ)、周杰倫(ジェイ・チョウ)、劉[火華](リウ・イエ)、中国、DVD
唐の時代、豪華絢爛な後宮の中で、皇帝とその妻、3人の息子たちには、それぞれ抱え持つ大きな秘密がある。先祖をまつる重陽節、一家が集まり共に食卓を囲むその日の夜にむけ、皇后は密かな計画を進めていた。

もう、隅々まで金!金!金!金!金!金!金!金!金!金!金!金!金!金!金!金!金!金!金!金!で、これをスクリーンで観たら目がちかちかしそうです(笑)。また、エキストラの数が半端じゃないです。さすが中国、さすが張藝謀です。そして鞏俐を初めとする女性たちの胸が気になって、気になって。全てにおいて徹底して過剰なのが、この映画の持ち味といえましょうか。
でもね、陰険な夫婦げんかのために、こんなに累々と屍が横たわるのを見ても、エンタメ大作のパッケージやのに後味悪いなぁってのが正直なところ。
ユンファは実に久しぶりの悪役です。『サイキック・アクション 復讐は夢からはじまる』(87)以来じゃないか? 皇帝ゆえの孤独も感じさせますが、相当に悪いやつです。久々に違ったタイプの役柄ということで、その点はうちは嬉しかったです。それなりに皇帝らしく見えたし。でも、香港人の友人曰く「發哥が皇帝だなんて、全然イメージできない」とか。發哥のテレビ俳優時代から見ている彼らにとっては、彼は極めて市井の人のイメージらしいです。
ワーナーさんが『HERO』『LOVERS』に引き続き、配給するらしいです。じゃあ、邦題は『GOLD』ですか?

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2006年12月18日

ヒマラヤ王子

『ヒマラヤ王子』胡雪樺監督、蒲巴甲(プー・バージャ) / 宗吉(ゾンジ) / 多布傑(ドブジェ)主演、2006年、中国
中国上海映画祭がテアトル・タイムズスクエアにて開催されている。その一本がこれ。
お話はシェークスピアのハムレット。それがチベットの王族に置き換えられて描かれる。チベットの雄大な風景や珍しい風俗を観られるのはいいんやけど、なんかこうしゃっちょこばっていて、悲劇なのに悲しみが心に迫らない。

蒲巴甲は観た人がみんな言うように、王力宏に似ている。王役の多布傑は『ココシリ』の隊長。渋い。でも声がちょっと高い。

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2006年12月09日

王の男

『王の男』イ・ジュンイク監督、カム・ウソン、チョン・ジニョン、イ・ジュンギ主演、109シネマズ川崎にて

暴君ヨンサンの統治を下世話に皮肉った芸で人々を笑わせ評判となったチャンセンとコンギルたちが、王を侮辱したと官吏に捕らえられる。しかし、チャンセンは「王が笑えば侮辱したことにはならない」と大見得を切り、人前で笑ったことのない王に芸を見せることになる。コンギルの捨て身の一発芸で王の笑いをとった彼らは、一転、王に召し抱えられることに。しかし本当に王が心奪われたのは、コンギルの美しさだった。

イ・ジュンギの”女っぷり”が気になって観に行った。でも、目に焼き付いたのはヨンサン役のチョン・ジニョンやった。なんや、蛇みたいなんやもん。コンギルが何を考えているのか、今ひとつよくわからんかった。チャンセンとの関係も、友情なんだか愛なんだか、ちょっと中途半端なんちゃう?
『デュエリスト』のカン・ドンウォンの方が美しかったなぁ。

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2006年12月07日

素敵な夜,ボクに下さい

『素敵な夜、ボクに下さい』中原俊監督、吹石一恵、キム・スンウ主演、試写にて
韓国のカーリング選手だったジンイルは、韓流スターのカン・スヒョンにうり二つ。一方、日本でスターを夢見るいずみは、日本にきたスヒョンに出会い、首尾良く一夜を共にするが、実はその男はジンイルだった。青森で再び出会った二人は、真相を知って大げんかするが、友人たちが取り繕ってなんとか仲直り。そんなに有名になりたかったら、カーリングでオリンピックにでもでれば?という提案に、いずみは妹や友人たちを巻き込んで、俄然カーリングに燃え始める。
いわゆる韓流ブームとカーリングという旬のものをくっつけただけの映画かと思いきや、これがなかなか上手い具合に料理されていて、可愛らしく楽しい恋愛映画に仕上がっている。何よりいい役者が揃っている。キム・スンウはとても上手い人だし、吹石一恵も最近話題作への出演が続き(『紀子の食卓』『雪に願うこと』『明日の記憶』など)注目度がぐんぐん上がっている。関めぐみも『ハチミツとクローバー』『笑う大天使』など出演が続く注目の若手。占部房子は『バッシング』で主演していた。地味だけど可愛らしさを持った人。枝元萌は劇団員らしいが、コメディーリリーフを上手く演じている。
欲を言えば、カーリングの試合の面白さをもう少し伝えて欲しかった。

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2006年11月23日

天国へ行くにはまず死すべし

『天国へ行くにはまず死すべし』ジャムシェド・ウスモノフ監督、タジキスタン
若くして結婚したものの、妻との夫婦生活ができず悩む青年。相手を変えればできるのかと、叔父に娼婦を紹介してもらったりするものの、やっぱりできない。街中で心惹かれた女性の後をつけて、親しくなろうとしてみたりするが、うまくいかない。しかし、バスで出会った女性が、彼を受け入れる。翌朝、目覚めると、部屋には彼女の夫と名乗る男が座っている。男によって、青年は暗黒街の世界に連れ込まれてしまう。
寒々しい映像はかっこいいし、主人公の青年も女の夫役も、監督の親族でアマチュアだというけど、そんなこと感じさせない演出でいいのだけれど、話が嫌いだ。
この監督にとっての女性の存在や、「男になること」の意味が、ひどく大男人主義に思えて、気に入らない。
*追記* この作品が今年のフルメックスのグランプリでした。ふ〜ん。

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2006年11月22日

マキシモは花ざかり、アザー・ハーフ

『マキシモは花ざかり』アウレウス・ソリト監督、フィリピン
マニラのスラム街に、12歳のマキシモは父と兄たちと4人で暮らしている。父たちは盗品の携帯電話を売って稼ぎ、マキシモは家事一切を上手にこなす、心は女の子な少年。たまにからかわれるけど、家族は自然に彼を受け入れている。ある夜、襲われそうになったところを、警官のビクトルに助けられる。優しく、かっこいい彼に、マキシモは好意を持つようになる。しかし、泥棒をしているマキシモの一家には招かれざる客だった。
外の世界に触れることが、少年に新たな価値観を芽生えさせる。それは時に父と衝突したり、恋の苦しみや、世の中の矛盾を知るなど、痛みを伴うものだけれど、確実に大人へと成長させていく。マキシモ役の子が可愛くって、ついつい肩入れして夢中になって観てしまった。東京国際映画祭で観た『クブラドール』でも出てきた違法賭博の話題がここでも出てきた。二つの作品がスラムの世界観を互いに補うように見せてくれたので、『クブラドール』を観ておいて良かった。
監督の前作は、フィリピンの少数民族についてのドキュメンタリー作品。シャーマンについての研究・調査をしているようだ。監督によると、いにしえのフィリピンではマキシモのような人は、特別な力を持つシャーマンとして崇められていたという。スペイン人の支配が始まり、キリスト教文化が来て初めて同性愛が悪だとされたため、フィリピンではマキシモのような人間に比較的寛容なのだと言う。なるほどねぇ。

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2006年11月15日

とかげの可愛い嘘、エコエコアザラク

『とかげの可愛い嘘』カン・ジウン監督、チョ・スンウ、カン・ヘジョン主演、韓国、試写にて
少年は晴れの日も黄色いカッパを着て登校し、へんてこな嘘ばかりつく転校生の少女に恋をする。しかし、彼女は何故かいつも突然姿を消してしまう。3度目に再会したとき、彼は彼女の嘘の悲しい理由を知る。
実生活でもホットなカップルによる、ちょっと不思議な恋のお話。前半の飄々とした感じがとても良かったんやけど、終盤のお涙頂戴演出には辟易としてしまった。スンウ君が自転車に乗っている意味がわかりません。子役の女の子が、眼がクリックリで可愛い!

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2006年10月29日

シルク

『シルク』スー・チャオピン監督、台湾・日本

反重力研究の第一人者である橋本博士(江口洋介)のチームは、開発した電磁波エネルギーを閉じこめることができるメンジャースポンジを使って、幽霊を捕らえることに成功する。少年幽霊は何かをつぶやいているが、声は聞こえない。そのため、読唇術に優れた特別捜査官(張震)の協力を要請する。何故、少年は幽霊として存在し得るのか。そのナゾを解こうとするのだが。
監督はホラーのつもりで作ってはいない、と言ってはるけど、こりゃどう見てもホラーでしょ。しかも、なんともつっこみどころの多いホラーだ。映像的には迫力あるんやけど、ストーリーがやわい。
今年は結局毎日通って25本観ました。3本無駄にしたのがちょっと残念やけど、楽しゅうおましたわ。
さて、原稿書かなきゃ・・・

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2006年10月24日

鳥屋、Crazy Stone、グッバイ・ボーイズ、青燕

『鳥屋』クー・エンヨウ監督、マレーシア
マレーシアの古都マラッカが舞台。父親と二人の兄弟は、古いショップハウス生まれ育つ。兄は高学歴で、シンガポールの会社に勤めていたが、業績が思わしくなく、家に戻って昔から好きなアンティークの店を開こうかと思っている。弟は勉強はできず、バイク修理の仕事をしているが、燕を飼って燕の巣をとる仕事でも始めようかと思っている。昔から仲の悪い兄弟は、互いを牽制しつつ、この古い家を改装しようと画策する。
伝統と革新についてや、ソリのあわない兄弟のこと、華人あるいはマレーシア人としてのアイデンティティーなどに対する、監督自身の迷いがそのまま作品になっているように感じる。シンガポールに行ったときに、表だけ見たショップハウスの内側が映されているのが興味深かった。

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2006年10月23日

マクシン、ガブラ

今日はヤスミン・アハマド監督(マレーシア)の2作品。
ネタバレあります。

『マクシン』ヤスミン監督の最新作。2006年制作。
10歳のオーキッドは女の子とより男の子たちと遊ぶ方が好きな少女。夏休みに入った日、男の子の集団の中に、見慣れない少年をみつける。彼は12歳のマクシン。叔母の家に休みの間滞在しに来ていた。勝ち気なオーキッドを彼は気に入り、一緒に遊ぶようになる。
『細い目』のオーキッドとは直接つながらないのかもしれないけど、よく似た少女の初恋物語。女の子でいるのが不満なオーキッドの気持ちはとても不安定。自分のことで手一杯で、淡い恋を恋とも気づかずに過ごしてしまう。マクシンはそんな彼女を守ってあげたいと思うけど、彼の家庭が抱える問題はもっと深刻で、12歳の彼にはどうしようもない。でも、二人の過ごしたひと夏は光り輝く美しい時間。『ラブン』に引き続き、悲しくて涙が出るのではなくて、かけがえのない人生の美しい瞬間を観て涙が溢れる。
オーキッドの両親は相変わらずのラブラブぶりを発揮。『細い目』のお手伝いさん出てきます。そして、注目すべきは、二人が凧揚げに行くシーン。この世のものとは思えぬほど美しい田園風景の中にたたずむ一軒家に住む若い夫婦は、『細い目』の二人。悲しいラストを観て胸のつぶれる思いをした観客に救いの手をさしのべるかのように、そこでの二人は幸せな家庭を築いていた。
また、ラストシーンの監督やスタッフが集まって歌う中心で、ピアノを弾く男性と歌う女性は、おそらく監督のご両親ではないだろうか。やっぱり、いつも出てくるラブラブの両親は、監督のご両親がモデルなのではないかと思う。

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2006年10月22日

ラブン、青春期、My mother is a belly dancer

『ラブン』ヤスミン・アハマド監督、マレーシア

定年を迎えた夫婦が、週末に過ごそうと田舎の家を整備する。近所の親戚を通して、家の修繕業者を紹介してもらい、快適な田舎ライフが始まるかという矢先、その親戚が工事代金の上前をはねていたことが発覚する。

今年は遅刻しないように頑張ろうと思ってたのに、いきなり寝坊。あたま10分観られなかったので、ことの始まりがわからない。でも、去年の『細い目』に引き続き、とても面白かった。ヤスミン監督の映画デビュー作で、2003年制作。娘の名前はやっぱりオーキッド。夫婦は周囲がちょっとひくくらい仲良しで、いちゃつく様子が微笑ましくて、つい笑ってしまう。これも『細い目』と同じ。誰かモデルがいるのかしらん?
楽しいこと、つらいことがかわるがわるやってくる人生。でもこの両親のように楽しく笑いあう伴侶がいたら、それに勝る幸せはないなぁ。ラストシーンは「ここが天国だ」と思わせられる、素晴らしいシーン。何やら、涙が止まらなかった。

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2006年10月21日

私たちがまた恋に落ちる前に、サイゴン・ラブ・ストーリー、クブラドール、八月的故事

今日から東京国際映画祭が始まった。
まず一本目。
『私がちがまた恋に落ちる前に』ジェームス・リー監督、マレーシア
妻に突然失踪された男。その理由は全くわからない。以前、妻が行ってみたいと言っていたプラハへと行こうとした矢先、一人の男が訪ねてくる。彼は妻の愛人だと言う。彼もまた彼女が失踪した理由がわからず、探している。お互いに彼女の思い出を語り合う二人。妻の車の中にあった未投函の手紙には、さらに別の男の名が。それは彼女の初恋の人の名だった。手がかりを求めて、二人はその男の元へと向かうのだが・・・
白黒のデジタル映像というのは、輝度が高すぎて味わいにかけるなぁ。
女性は男たちから見た、あくまでもわからない存在として描かれているので、うちにも彼女が何を考えていたのか、ようわからん。でも、結末はかなり好き。どんなに傷ついても、悩んでも、生き続ける限り、時は彼らの味方で、癒し、活力を与えてくれる。

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2006年10月20日

十三の桐

『十三の桐』中国、ルー・ユエ監督
東京国際映画祭は明日から開幕。今日はその前に試写でコンペティション作品を一本観た。今週はずっとコンペティション作品の試写があって、本当は観にいきたかったんやけど、風邪をひいてしまい、何とか映画祭までに治さねばと、必死に養生していた。ようやく、ティッシュを抱えていなくてもいられるようになったので、今日はせめてこれだけでもと観に行った。
舞台は中国の西の方の地方都市らしい。撮影所が四川とあたので、四川省のどこかだろうか。主人公は西域のイスラム世界にあこがれを持っているようだけれど、四川は西域に近い?
中国の地方都市のちょっと荒れた学校へ通う子供たちの話やけど、日本の高校生とあんま変わらへんなぁと思う。先生が父兄会で親たちに「来年は受験の大事な時期だから、麻雀禁止、離婚も先に延ばして」とまで言うのは、ちょっと中国らしいけど。
気になるのは、先生と学生との関わりの部分で、二カ所ほど「これは絶対に後からカットしたな」と思われるところがあること。検閲のせい?
明日からは映画三昧の一週間。身体持つかが心配やけど、楽しましてもらいまひょ。

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2006年09月13日

グエムル〜漢江の怪物〜

『グエムル〜漢江の怪物〜』韓国、ポン・ジュノ監督、ソン・ガンホ主演 チネチッタにて
『殺人の追憶』の監督&主演コンビやし、ペ・ドゥナも出てるしで、凄い期待してた作品。
辛辣な社会批判を含んだモンスター・パニック映画として、凄くよくできてるし、だめだめ家族の奮闘ぶりも面白い。なのに、なんかもう一つ心にどかーんとこないのはなんでやろ?
多分ねぇ、映画を観る前に宣伝による露出が多くて、モンスターの姿も見てもうてたし、カンヌだなんだかんだの絶賛の宣伝文句も見過ぎたんやと思うのよね。何にも見んと、知らんと作品観たら、きっともっと面白かったんとちゃうかなぁ。

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2006年09月02日

アジア海洋映画祭イン幕張

「アジア海洋映画祭イン幕張」へ行ってきた。一番の目的は『ピーターパンの公式』を観ることだったんやけど、予想以上に暗い作品やった。オン・ジュワンくん、頑張ってはったけど。チョ・チャンホ監督はキム・ギドクの弟子。作風、似てるかも。まだキム・ギドクのようなキレはないけど。パンフに取り敢えずサインをもらう(笑)。
『浮世光影/南方紀事之浮世光影』の黄玉珊(ホアン・ユーシャン)監督にインタビューをした。これまでも映画を撮っていらっしゃるけど、日本で公開されるのはこれが初めて。ちっと演出が生真面目で古臭さも感じるけど、映画の内容は戦時中に台湾へ向かう途中、連合軍の潜水艦に撃沈されてしまった客船・高千穂丸事件とその事件で亡くなった彫刻家・画家の黄清[土呈]の生涯を描いていて、興味深い。インタビューはシネマジャーナル本誌69号に掲載予定。
この日観た中では、『海に出る/出去走走』という台湾の短編作品が楽しかった。既に漁師を引退したお爺さんたちが、船と海から離れがたく、とうとうお婆さんに黙ってこっそり海へ出るまでのお話。爺ちゃんと婆ちゃんのやり取りや、爺ちゃんと孫がお茶を飲みながら海のことを話すシーンなどが微笑ましくって、ニコニコしながら観られた。

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